脳表ヘモジデローシス+白質脳症 = アミロイドアンギオパチー

アミロイドアンギオパチーといえば

皮質下出血などの原因として知られていますが

 

謎の大脳半球ヘモジデローシス+白質脳症の原因がアミロイドアンギオパチーという症例の知識がなかったので勉強

 

T2*画像で皮質、皮質下に多数の小出血後変化があったのでアミロイドアンギオパチーはあるんだろうな?とは思っていた症例でしたが

 

謎の大脳半球の広範なヘモジデローシス+U-fiber含む白質のT2延長

 

脳表のヘモジデローシス(cortical superficial siderosis)はアミロイドアンギオパチーでそこそこあるらしく、一時的な髄膜血管の破綻が考えられている

 

U-fiber含む白質脳症アミロイドβの沈着による肉芽腫性血管炎による灌流障害

血液脳関門破綻による血管性浮腫などが機序として考えられている。

 

結構知られている病態のようで知らなかったことを反省

 

腸間膜デスモイド

クイズでみせてもらった腸間膜デスモイド

十二指腸をひっぱっていて、十二指腸由来か後腹膜由来かが難しかった。

 

デスモイド=深在性線維腺腫

デスモイドは腹壁発生49% 腹腔内発生は8%

 

良性腫瘍のくせに浸潤するという特徴で再発も多い

 

CTは単純CTで硬そうなやや高吸収が多い気がするけど教科書では低吸収な症例もあり、様々らしい。造影は緩徐に徐々に造影される(卵巣のfibrotecomaも線維成分多い部分がわずかにしか造影されないこと一緒と理解)。

壊死や変性が多いことも卵巣の線維腫と同一と理解する。

エコーは低エコーで腸間膜デスモイドは内部に脂肪や血管でsandwitch sign

MRIはT2WIで不均一高信号。今回の症例はDWI高信号だったが、ADC低値なくてT2shine throughだった。

FDG-PETはSUVmax 4くらいの淡い集積。

 

鑑別のGISTとSFTは外せない気がする。鑑別には上げれそう。

 

一次結核

メモ書きです。

結核菌が末梢肺に到達したら感染は成立するが、9割は発症せずに終わる。
1割が感染から半年~1年で発病して一次結核と呼ぶ。

一次結核の病態には肺の初感染巣(肺結核)、結核性リンパ節炎の他に、粟粒結核結核性胸膜炎などの肺外結核がある。

肺では胸膜下に病巣多く、リンパ行性に肺門部リンパ節が腫大する。
一部はリンパ管→静脈角→全身に結核(粟粒結核)となる。
胸水、縦隔リンパ節腫脹が特徴とされる。

肺野の病変は区域性で境界明瞭な浸潤影として認められ、時に腫瘤状となる。上葉なら前側に多い。右が多いという報告もあり(分布はあまり特徴的はないよう)。

まとめとしては分布ではあまり言えることなし。
胸水、縦隔リンパ節腫脹が特徴的。



polypoid endometriosis(ポリープ状内膜症)

秋季大会のイメージインタープリテーションはpolypoid endmetriosisでした。
結構正解が多かったみたいですが、全然知りませんでした。

結構有名な疾患のようですので、メモ書きです。

polpoid endometriosisは子宮内膜症のまれな亜型で、内膜症性病巣の一部が進展性にポリープ状の腫瘤を形成し、病理学的にポリープは子宮内膜ポリープに類似します。

典型的な内膜症性病変(T1WIで高信号、T2WIでshading)に充実成分があって・・
となると、内膜症性病変由来の腫瘍か?と考えちゃうわけですが

鑑別点は
・充実部分はDWIでの高信号が悪性より弱くADC低値が見られない
・PET-CTでの集積が淡い
・ダイナミック造影でじわじわ染まってくる(rapidではない)。
などのようです。

私が見た症例の印象は、内膜症性嚢胞が結構きれいに確認できて、充実部分の浸潤傾向が無いイメージで「見た感じの悪性ではなさ」が印象に残りました。

確かに知っていれば診断できそうな・・
でも、悪性ではないと言うのは難しそうなので手術にはなりそうですが・・
悪性じゃないかもと産婦人科にメッセージを伝えるのは大事なのかな?

左腎から突出するあいつ

正常変異の話です。

左腎の外側から正常実質が突出することがあります。
見るからに正常変異なので問題になることはほとんどありませんが
健康診断のエコーなどでひっかかって精査に回ってくることがあります。

特に困ることはないのですが、あの名前なんだっけ?となることもありメモを

こいつは脾臓による圧痕があり、その下方が突出することで
腫瘤様の突出になります。

日本語では「ひとこぶらくだのこぶ」と言われ
英語では「dromedary hump」といいます。

dromedary humpはググるとradiopediaとかでも出てきます。
エコーで鑑別に迷った時は内部のエコーが周囲腎実質と同じ(低エコーです)ことで
腫瘍性病変と鑑別します。

膵癌の動脈浸潤、静脈浸潤

しばらく更新していませんが、これからは一言ずつでも勉強した自分のメモを書いていきます。

膵癌術前では動静脈への浸潤が手術適応のkeyとなることが多いです。
門脈浸潤ならオペすることもあると思いますが、腹腔動脈や上腸間膜動脈への浸潤と診断すれば、一発で手術適応がなくなってしまうので、責任重大です。

門脈系については
腫瘤と静脈の接触範囲が半周以上なら浸潤あり
動脈系については
腫瘤と動脈が一部でも接触していれば浸潤あり

と評価するのが一般的です。
リファレンスの論文がすぐにでてこないので、メモでした。

ITPN・・?

久しぶりの救急と関連のない画像診断の覚書

レジデントの先生にクイズを出してもらっていたら、ITPNの症例を見せてもらいました。・・・?ITPNってなんやったっけ・・?
と恥ずかしい状況になってしまいました。 自分の本にはITPNにしっかりマーカーで線を引いていたので、完全に忘れておりました。

ITPNとは
Intraductal tubulopapillary neoplasm
で、膵管内の管状、乳頭状の腫瘍です

IPMN(Intraductal pappillary mucinous neoplasma)とは
mucinousな粘液を産生するかどうかが大きな違いのようです。
あと文字通りIPMNは乳頭状に対してITPNは管状というところが違いです

ITPNは2009年に提唱された膵管内腫瘍の概念で、まだまだ概念の確率は未熟のようで調べてもしっくりはきません。

とにかく主膵管内に管状乳頭状に発育して粘液産生を認めない。
膵管癌と比較すると悪性度は低く浸潤傾向が乏しい
一方で壊死は比較的多いようです。

画像では
T1WI低信号、T2WI高信号と非特異的な信号で
尾側膵管の拡張と膵の委縮という膵がんとの鑑別が難しいパターン

膵癌のように主膵管を途絶しているが
MRCPでの主膵管内の腫瘍の突出(ワインのコルク栓様というらしい)で
浸潤傾向乏しくて膵管内に突出して乳頭状に発育してそうなら
鑑別に挙げるというところだろうか。