画像診断

一次結核

メモ書きです。 結核菌が末梢肺に到達したら感染は成立するが、9割は発症せずに終わる。 1割が感染から半年~1年で発病して一次結核と呼ぶ。 一次結核の病態には肺の初感染巣(肺結核)、結核性リンパ節炎の他に、粟粒結核、結核性胸膜炎などの肺外結核があ…

polypoid endometriosis(ポリープ状内膜症)

秋季大会のイメージインタープリテーションはpolypoid endmetriosisでした。 結構正解が多かったみたいですが、全然知りませんでした。 結構有名な疾患のようですので、メモ書きです。 polpoid endometriosisは子宮内膜症のまれな亜型で、内膜症性病巣の一部…

左腎から突出するあいつ

正常変異の話です。 左腎の外側から正常実質が突出することがあります。 見るからに正常変異なので問題になることはほとんどありませんが 健康診断のエコーなどでひっかかって精査に回ってくることがあります。 特に困ることはないのですが、あの名前なんだ…

膵癌の動脈浸潤、静脈浸潤

しばらく更新していませんが、これからは一言ずつでも勉強した自分のメモを書いていきます。 膵癌術前では動静脈への浸潤が手術適応のkeyとなることが多いです。 門脈浸潤ならオペすることもあると思いますが、腹腔動脈や上腸間膜動脈への浸潤と診断すれば、…

ITPN・・?

久しぶりの救急と関連のない画像診断の覚書 レジデントの先生にクイズを出してもらっていたら、ITPNの症例を見せてもらいました。・・・?ITPNってなんやったっけ・・? と恥ずかしい状況になってしまいました。 自分の本にはITPNにしっかりマーカーで線を引…

成熟嚢胞性奇形腫の悪性転化と未熟奇形腫の覚書

未熟奇形腫は若年、成熟嚢胞奇形腫の悪性転化は高齢者 成熟嚢胞奇形腫の悪性転化は扁平上皮癌が多く、画像のイメージは子宮頸癌。 嚢胞の一部に充実成分が出来て周囲へがんがん浸潤していくのが特徴的。 未熟奇形腫は奇形腫に未熟成分を伴うもの 未熟成分の…

SAMの覚書

SAMとはSehmental arterial mediolysisのこと。mediolysisが覚えにくい 病理学的には中膜の平滑筋の空胞変性により、外側から中膜の融解が起こり、外膜と瘤膜の間に間隙が起こる。この状態で内膜の断裂が起こると、外膜下まで血液が流れ込み、動脈瘤が形成さ…

心筋の脂肪を見たら

胸部CTを見ていたら心臓の脂肪をみることがあります。 心筋の脂肪化の鑑別は ・加齢による生理的な脂肪変性 ・陳旧性心筋梗塞後変化 ・不整脈源性右室心筋症 の鑑別となります。 加齢による生理的な脂肪変性は正常の心筋間を霜降り状に脂肪化し、右室(流出…

MLF症候群とchiro-oral症候群

ここ数日でMLF症候群とchiro-oral 症候群という、MRIで見るとかなり微妙な所見ですが、臨床の診察所見からはかなり特徴的な、興味深い疾患を見たのでメモを MLF症候群は学生の時から何回教科書見たか分からないという、医師あるあるの疾患で、右を注視させる…

シャルコー関節

恥ずかしながらシャルコー関節という依頼病名見て、知らなくて調べました。 画像がめっちゃ大事という疾患ではなさそうですが・・ シャルコー関節とは神経障害性関節症と同義です。 感覚性神経障害(糖尿病(最も多い)や脊髄空洞症、梅毒など)患者の関節に…

mucoid impactionの鑑別

胸部CTで気管支内の粘液のような軟部影がつまって、気管支が拡張するmucoid impationを見ます。ABPAが有名でmucoid impactionを見ると、ABPAと書きたくなるが、鑑別診断も挙げられます。 impaction=ぎゅうぎゅうに詰め込む らしく、気管支内に粘液が溜まり、…

黄色肉芽腫性腎盂腎炎

黄色肉芽腫性腎盂腎炎は病理で腎に脂肪を多量に含んだ黄色腫細胞を含む肉芽腫を認めれば診断されるのは理解できているが、画像からは膿腎症とどう違うの?と思っていたのでちょっと整理 膿腎症:水腎症があり、水腎に感染して膿が充満している状態 膿腎が慢…

リウマチ患者の肺結節

以前レポートをつけた患者さん リウマチ患者の両側下葉に半年ほどでおおきくなった肺腫瘤 腫瘍としては両側でしかも結構大きくなるの早いし・・ 悩んだ結果 リウマチ結節としました。 PETはFDG集積はSUVmax2程度 最終的には精査されずproofはとれず・・ 最近…

外側側副靭帯損傷

膝関節のMRIはいつも難しい・・ 簡単なようで、後で手術所見や関節鏡の所見見たら全然違うやん!ってことも度々 しかも見返しても良くわからん・・・・ この前も外側側副靭帯に損傷ありません って書いたら外側側副靭帯再建後っていう次に依頼が来ました(涙…

U-fibarと白質病変

鑑別に病変がU-fibarが含むから・・・とか よく考えるけどいつも忘れるのでメモを。 U-fibarとは 皮髄境界部の白質(白質表層)を脳回同士をつなぐ線維 鉄を含むのでT2WIで低信号域として認められる。 有名なのがMSでのisolated U-fibar lesion MS患者の半数…

トキソプラズマ脳炎

頭蓋内に多発するリング状濃染する結節があり、拡散強調画像では内部は低信号となる転移かな?と思われる多発脳結節。原発巣は特になし、結節周囲には強い浮腫があるという症例に遭遇しました。 転移ももちろん否定できませんが、トキソプラズマ脳炎も鑑別に…

AFBN

AFBN(acute focal bactterial nephritis)は腎盂腎炎と腎膿瘍の間に存在する概念です。 1979年に提唱された概念で、液状化していない腎臓の感染による炎症細胞浸潤と間質性の炎症 腎盂腎炎が進んで腎膿瘍になる前というイメージ。ただし、血行性に飛んだ来た…

子宮肉腫の分類

恥ずかしながら、最近、診断に困った子宮内膜間質肉腫の症例報告を聞いたのですが、子宮内膜間質肉腫を知りませんでした。筋腫見た時に肉腫じゃないか考えるくらいしか子宮の肉腫を意識してませんでした。 簡単にまとめ 子宮の肉腫は 子宮内膜間質肉腫:子宮…

sun ray appearance

顎骨の画像診断は苦手です 最近見た顎骨病変。CTのみでしたが、下顎骨から口側にまるでハケではいたかのうような新生骨ができている。しかも結構前からあって大きくなっている?との臨床情報。 調べていると、sun ray appearanceって所見を見ているように思…

IgG4関連の肺疾患

IgG4関連肺疾患の既往のある高齢の患者さんで 肺癌疑いで撮られたCT 葉間につぶつぶの瘤状影、気管支血管束の肥厚とリンパ路性病変を疑う所見+胸膜側の腫瘤様陰影という所見でした。 リンパ路性病変(広義間質)というと リンパ増殖性疾患(MALT lyomphomaな…

dermoidとepidermoidと奇形腫

このあたりは頭がごちゃごちゃしているので整理を 良く皮膚でUSなどでみるアテローム・・・エピデルモイドだっけ?デルモイドだっけ?となったりします。 アテロームって言葉は日本でしか通用しないらしく、正しくはepidermoidということになります。 epider…

前脈絡叢動脈と海馬

頭部のMRIを読影してて、どう考えてもPCA領域の梗塞なのに、側頭葉内側や海馬にも拡散低下があって、ここってPCA支配域やっけ?前脈絡叢動脈支配じゃかなっかたっけ?と思いました。ちょっとメモを 前脈絡叢動脈 内頚動脈から出る最終分枝。後交通動脈よりも…

単純CTで高吸収となる腎腫瘤

たまにみる単純CTで高吸収となる腎腫瘤 最近読影したものは、早期濃染、wash outパターンで早期濃染は不均一な造影で、単純以外は淡明細胞型腎細胞癌でよさそうなのに、単純CTで高吸収に見える腫瘤でした。淡明細胞型で単純CTで高吸収で良いのか? 通常、単…

びまん性軸索損傷のMRI

せん断性の力が働きやすいのは脳内の密度が異なる部位や長い白質線維が損傷しやすい。 というわけで皮髄境界(密度が異なる)、脳梁(長い白質線維)内包後脚(長い白質線維)など。皮髄境界はいちばん力がかかりやすい中央部の傍矢状洞部に多い。 4割程度が…

肺アスペルギルス症

肺アスペルギルス症の分類は若干ややこい 頭の中整理用 1 侵襲性肺アスペルギルス症 血管侵襲性アスペルギルス症と気管支肺炎型アスペルギルス症に分かれる 血管侵襲性は結節状の凝固壊死ができて周囲に出血を伴うhalo sign 気管支肺炎型はいわゆる細菌性の…

corona mortis

骨盤骨折の時に注意しないといけない血管として有名なcorona mortis crown of deathという別名もあるらしい。 名前はインパクト強いが、何のことはなし 外腸骨動脈と閉鎖動脈、下腹壁動脈のanastomosisのこと 70%以上に認められる。 内腸骨動脈手術で結紮後…

zinner症候群

全然救急と関連のない自分用のメモ zinner症候群とは 胎生期の発生異常で精嚢嚢胞+同側腎欠損を来す症候群 1914年にzinnerにより報告された。 中腎管の発生異常で腎の無形性と射精管の閉塞による精嚢嚢胞を認める。 女性のWunderlich症候群の男性版みたいな…

肝細胞癌とコロナ濃染

肝細胞癌のドレナージ血管は 異型結節:内部の肝静脈が保たれ、肝静脈がドレナージ血管 腫瘍が進行すると 肝静脈が減少し、類洞に直接灌流(逆流?) さらに被膜形成されると 被膜内の微細な門脈の枝から門脈に逆流する この門脈や類洞への還流が造影門脈相…

結核と活動性

肺炎で救急外来から入院してもらうとき、入院させる医師が最も気にするものは結核(活動性)の可能性はないか?可能性があるなら個室管理に、と考えます。 しかし、結核はなかなか難しい。 S1,2,6の石灰化を伴う腫瘤で、周囲に娘結節もあって、結核腫は間違…

膝蓋骨脱臼の画像診断

膝蓋骨脱臼は救急外来でたまにみます。 外向きに足を出して、大腿を内旋(大腿四頭筋が急速に緊張)した時に起こりやすくて、ほとんどが外側に脱臼します。ほとんどは救急外来来るまでに勝ってに整復されています。1例だけ脱臼したまま救急搬送された例も経…