CLIPPERS

中脳の造影される多発小結節の鑑別にCLIPPERSをちらっと考えました。

CLIPPERSは名前が記憶に残るから、覚えやすいが、中身は???って感じ
CLIPPERSはchronic linphocystic Inflamation with pontine perivascular enhancement responsive to steroidsの略。名前の通りステロイドに反応するリンパ球の炎症が橋の小血管周囲にパラパラとみられる慢性の疾患のようだ。

2010年に提唱された疾患で歴史は浅い。画像では点状、結節状の造影効果が橋を中心に存在する。名前も印象的だが、画像も一度見れば記憶に残る画像のようだ。生で見たことがなく、文献でしか見たことはない。

CLIPPERSの疾患からの鑑別は神経サルコイドーシス(血管周囲が造影されるから画像が似る)、悪性リンパ腫やlymphoid granumatosisなどのリンパ増殖性疾患(CLIPPERSと思っていたら後でリンパ腫が判明した症例報告あり)、ベーチェットやシェーグレンなどの自己免疫性疾患。

橋が中心だが、橋以外もあるらしい。今回はCLIPPERSは書きすぎと思い、鑑別には挙げませんでした。