化膿性脊椎炎・椎間板炎の勘違い

化膿性脊椎炎のMRIと言えば、2椎体に骨髄浮腫があって、間の椎間板にT2高信号域があって(膿がたまって)、椎間板の前方や後方に炎症を反映した浮腫や軟部組織があるという画像が典型的でよくみる。教科書にもほとんど椎間板炎と椎体炎は合併すると書いてある。

2椎体+椎間板なので、椎間板に血行性に飛んできて、周囲の脊椎に波及するものと思っていました。だから、椎間板の髄核が新鮮でみずみずしくてT2強調画像で高信号となったとき、正常の椎間板か、感染して浮腫がある椎間板か悩んでしまうことがありました。

しかし、これは大いなる勘違いでした。
成人では椎間板の血流は乏しいので、血行性に飛んできた菌は椎間板につくのではなく、前方の椎体終板に定着して、そこから椎間板に波及するらしい。というわけで、成人で椎間板にのみ所見がある椎体炎/椎間板炎はないみたいです。みずみずしい椎間板を超初期の椎体炎/椎間板炎の浮腫か?と疑っていました。
ちなみに15歳以下では、終動脈が終板を通過して椎間まで貫通しているので最初に椎間板炎があってもいいみたいです。

ちなみ好発部位は腰椎>胸椎>頸椎
臨床症状が改善しても画像上増悪することはよくある(肉芽腫や線維化を反映)
造影するとすごくわかりやすい。