RFA後の合併症

IVRについて全然書いていなかったので、ひとつRFA後の合併症を

だいたいの数字ではRFAに関連した死亡は0.5%程度、合併症は9-10%程度の報告が多い。

RFA後の合併症には早期合併症と晩期合併症に分けて考察されている。とある報告(Ann surg 2004;239:450-458)では前期(30日以内)合併症が7.1%,後期合併症が2.4%と報告されている。
前期合併症として難治性腹水、膿瘍、腹腔内出血、胆道損傷、消化管損傷など
後期合併症として胆道損傷、胸腹水、肝不全、膿瘍など
結構かぶっていて前期と後期に分ける意味がなさそうですが・・
30日以降でも合併症が起きることに注目して注意せよってことやと思います。

機序から分けると
①肝臓の合併症
  胆管損傷/biloma、門脈血栓、肝膿瘍、出血
②穿刺ラインの合併症
  多臓器損傷(消化管穿孔、腹膜炎)、胸腹水、腹壁火傷
③全身の合併症
  肝不全、黄疸、血圧低下
などなど

最近、S8のRFA後の横隔膜ヘルニアがありました。
横隔膜ヘルニアはRFA後合併症として報告されており、2年くらい経過してからの報告が多い。これは熱損傷などで脆弱になった横隔膜に、時間とともに肝臓が委縮してスペースができて、腸管が横隔膜下に移動するスペースができることが原因と考えられているようだ。人工胸水/腹水注入が予防法として考えられている。
IVRの常として臨床試験に裏打ちされた予防のエビデンスは乏しいようだ。
エキスパートがこうしたら防げるんちゃう?って言ってる状況のようだ。