網嚢内への小腸の脱出

網嚢内への小腸の脱出した内ヘルニアの鑑別をクイズで当てられて外してしまいました。

内ヘルニアは大きく、
腹膜に穴が開いていない腔へ小腸が脱出する腹膜窩ヘルニア(右傍十二指腸、左傍十二指腸、盲腸窩、S状結腸間膜窩、傍直腸窩、膀胱上窩)
異常な腹膜の穴の異常裂孔ヘルニア(腸間膜裂孔、大網裂孔、子宮広間膜、腸管吻合後)
正常な穴への脱出(Winslow孔)に分けられる。

網嚢への脱出はこのうち、大網裂孔ヘルニア、横行結腸間膜裂孔ヘルニア、Winslow孔ヘルニアが鑑別になる。

今回勉強したことは拡張した小腸の圧排される臓器で鑑別できるかもってこと

Winslow孔ヘルニアは下大静脈と門脈の間を通るので、門脈の位置との関係でだいたいわかる。口側の拡張した小腸は十二指腸を左側に圧排する。

理解しておきたいのは横行結腸間は腹側はほぼ大網と癒着しており(横行結腸間膜腹側は網嚢内で腹腔には直接接していない)、背側は腹腔内と接している。といくことは、横行結腸間膜裂孔ヘルニアで腹側⇒背側の方向への脱出は起きない。横行結腸間膜裂孔ヘルニアは背側⇒腹側の方向への脱出となる。
ということは拡張した小腸は横行結腸間膜裂孔ヘルニアでは横行結腸を腹側へ圧排する形となるはず。拡張した小腸により横行結腸が背側へ圧排されていたら横行結腸間膜裂孔ヘルニアの可能性は低い。中結腸動脈の走行を追う必要がある。
大網裂孔ヘルニアはいろいろなパターンがある。イメージ 1