モザイク血流とスリガラス影

胸部CTでhead cheese signの勉強をしようと思ったところ

その前段階としてモザイク血流とスリガラス影の勉強を

モザイク血流
肺野の局所血流不均一を反映して肺野濃度に差が出る所見。血流が乏しく肺野濃度が下がる(黒くなる)所見をいう。肺塞栓でも起こるが、気道病変(気道の狭窄による低酸素で血管が攣縮して血流が乏しくなる)の方が頻度が多い。

肺野の濃度が不均一だった場合、低吸収の部分(黒い部分)が血流が乏しい異常所見(モザイク血流)なのか、高吸収の部分(白い部分)が気道性病変による異常所見(スリガラス影)なのか考える必要がある。

鑑別する方法は、
境界明瞭ならモザイク血流の可能性が高く、不明瞭ならスリガラス影の可能性高い
肺胞蛋白症、ウイルス性肺炎など例外あり)
透過性亢進部分の血管が狭小化していればモザイク血流の所見
呼気CTを撮像してエアトラッピング(吸気呼気CTで透過性の変化がない、通常は呼気CTでは透過性低下するはず)あれば、気道病変からのモザイク血流
経過によって変化しなければ、モザイク血流の可能性が高い

モザイク血流の鑑別は
気道性病変の 喘息、過敏性肺炎、閉塞性気管支炎
血管病変の  慢性肺動脈塞栓、血管炎