トキソプラズマ脳炎

頭蓋内に多発するリング状濃染する結節があり、拡散強調画像では内部は低信号となる転移かな?と思われる多発脳結節。原発巣は特になし、結節周囲には強い浮腫があるという症例に遭遇しました。

転移ももちろん否定できませんが、トキソプラズマ脳炎も鑑別に上がる為、ちょっとまとめを

トキソプラズマ脳炎は浮腫を伴う結節状あるいはリング状造影効果で(1-3cm大)で周囲の浮腫が目立ち、T2WIでtaget signとう周囲高信号、内部低信号となる所見(非特異的)。脳膿瘍はDWIで内部も高信号となるが、トキソプラズマは細胞性免疫が低下していることあり、DWIで内部は低信号となることが多い。

画像の経過としては
初期は限局性の浮腫や結節状造影
⇒嚢胞形成 嚢胞の壁は薄く結節を伴う(この時期は浮腫少ない)
⇒死ぬ直前に被膜が厚くなり、周囲に著明な浮腫が出現
⇒嚢胞縮小 造影される結節から石灰化

転移や真菌感染などとは浮腫が伴う場合は画像だけでは鑑別困難とのことです。
原発ない多発するリング状濃染でDWIで内部低信号なら、転移決め打ちではなくて、転移以外も鑑別には入れておくってことが教訓でしょうか・・。