MLF症候群とchiro-oral症候群

ここ数日でMLF症候群とchiro-oral 症候群という、MRIで見るとかなり微妙な所見ですが、臨床の診察所見からはかなり特徴的な、興味深い疾患を見たのでメモを

MLF症候群は学生の時から何回教科書見たか分からないという、医師あるあるの疾患で、右を注視させると右目は外転するけど、左目は内転しなくて、複視がでるという疾患です。右を注視するときに「右目に外転しろ」と「左目に内転しろ」の命令が同時にでるけど、この「左目に内転しろ」の命令への経路が障害されるころによる。これが右PPRFと動眼神経を結ぶ左MLFが障害されることによる。つまり、病側の目の内転障害を来します。動眼神経麻痺との鑑別は輻輳は可能なことで鑑別。
画像は結構面白くて、橋の「点状」のMLFピンポイント梗塞なんかでおきることがある。MLFは橋の背側にあって、症状から画像を見ると面白い・
まとめ:MLFは橋の背側にある。MLF症候群は病側の内転障害がおきる

chiro-oral症候群も面白い症状です。
片側の手の感覚障害(しびれなど)と同側の口の周りの感覚障害が同時におこる疾患です。かなり特徴的な患者の訴えとなります。
神経内科の先生しか興味ないような、たくさんの原因で起こりうるらしいのですが、多くは視床の微小梗塞(視床後腹側核の障害)で起こります。MLFと同じようにほんとうに「点状」の視床のDWI高信号域で見つけたりするのです。

画像と臨床どっちも大事というおもしろい梗塞の2例で勉強になりました。