心筋の脂肪を見たら

胸部CTを見ていたら心臓の脂肪をみることがあります。

心筋の脂肪化の鑑別は
・加齢による生理的な脂肪変性
・陳旧性心筋梗塞後変化
不整脈源性右室心筋症
の鑑別となります。

加齢による生理的な脂肪変性は正常の心筋間を霜降り状に脂肪化し、右室(流出路、自由壁)に起こることが多い。左室にも起こることがあり、左室なら心尖部に多い。左室に存在すると陳旧性梗塞との鑑別が問題となる

陳旧性心筋梗塞は内膜側から脂肪化する。冠動脈支配域と一致しているかに注目

不整脈源性右室心筋症では心外膜側から脂肪変性する。脂肪化心筋と心外膜脂肪と区別できなくなり、心筋の菲薄化が目立つようになる。右室の肉柱、心室中隔右室側が好発部位。必ず右室拡大を伴う。

右室の脂肪化は場所と心外膜側から起きているかどうかで、加齢性変化か不整脈源性心筋症か鑑別(疫学的にはほとんお加齢性変化)
左室の脂肪化は心尖部にあるか?右室にあるか?で加齢性変化の可能性を検討。内膜からかどうかで陳旧性心筋梗塞の可能性を検討。