腎損傷の出血やurinomaとIVR

日本泌尿器学会が腎外傷診療ガイドラインを出していたので斜め読み

後腹膜臓器である腎損傷はそこまであわてません。
実際、手術での腎摘出は4%程度、TAEは15%程度、何もしない保存的治療が80%程度と記載されています。

ただし、他の臓器と異なり、腎臓は尿を生成しているので尿漏によるurinoma形成も問題となります。他院から搬送された患者などでは、受傷日のCTでも尿漏がみつからことがあります。

さて尿漏への対応についてのガイドラインの記載は?

初期の段階では自然消退を期待する。発熱や腹痛などの症状が遷延すれば画像と併せてドレナージを施行すべき、尿管ステントあるいは経皮的ドレナージの選択は症例ごとに考える」
過去の報告では3日~3週間でドレナージされている症例が多い。

尿管に通過障害(凝血塊によるもの)があるか、38.5度以上の発熱があればドレナージを検討するという報告でよいようです。
IVPで尿管が良好に描出されているかをチェックすることが大事なようです。

TAEの適応は目新しいものはなく、extravasationがあるか、出血が多い(骨盤腔まで広がる、左腎なら腹部大動脈右側まで、右腎なら下大静脈左側まで広がるもの)ものとされています。