救急

気道熱傷に予防的抗菌薬投与するか?

熱傷の予防的抗菌薬は悩ましいです。 私が研修だった10年以上前には熱傷患者は来院して熱出てCRP上がったら創部も汚いし、初期からの抗菌薬投与もかなり行われていましたが、最近は、予防的抗菌薬投与は我慢していることが多いです(でも術後に感染症で持っ…

アナフィラキシーとエピネフリン

アレルギー反応とアナフィラキシーの定義上の違いや、エピネフリンの適応などは、ちょくちょく調べてもすぐに忘れます。 日本アレルギー学会のアナフィラキシーガイドラインを斜め読み 結論から言うと、エピネフリンの適応については、やばそうならエピネフ…

腎損傷の出血やurinomaとIVR

日本泌尿器学会が腎外傷診療ガイドラインを出していたので斜め読み 後腹膜臓器である腎損傷はそこまであわてません。 実際、手術での腎摘出は4%程度、TAEは15%程度、何もしない保存的治療が80%程度と記載されています。 ただし、他の臓器と異なり、腎臓は尿…

β遮断薬と敗血症性ショック

集中治療の勉強は最近あんまりなので、ちょっとななめ読み Effect of Heart Rate Control With Esmolol on Hemodynamic and Clinical Outcomes in Patients With Septic Shock: JAMA. 2013;310(16):1683-1691 ローマの大学病院単独での敗血症性ショック患者…

腸腰筋膿瘍ドレナージ

腸腰筋膿瘍ドレナージはたまに頼まれる手技です。 骨盤内などではなかなか難しい場合もありますが、CTガイド下(または超音波ガイド下)で穿刺が多くの場合可能です。側臥位がいいかも? たまに腸管傍の後腹膜しかなくて、リスク高いなーと思いながら、頑張…

重症喘息の治療

たまに救急搬送されてくるほんとに生命にかかわる重症喘息発作患者さん この前、意識障害を来した重篤な喘息患者さんでβ刺激薬吸入、マグネシウム点滴、ステロイド点滴、NIVで乗り切った例がありました。エピネフリンは?と朝になって言われて、一回整理 GI…

尿中の亜硝酸塩

高齢者で発熱が主訴で来院して、原因は不明 尿感染症かな?と思う人はたくさんいます。 尿中白血球や身体所見を参照にしてきた訳ですが、 尿中の亜硝酸塩を根拠にしている医師もいて、今まで参考にしてきてなかった分、少し勉強。 感覚的には膿尿⇒尿中白血球…

インフルエンザ後の肺炎

インフルエンザの季節です。 インフルエンザが迅速で陽性、しかし肺野には浸潤影が・・ インフエンザと肺炎といえば ①ウイルス性肺炎(両側びまん性網状影、気管支壁肥厚) ②ウイルス細菌混合肺炎 ③二次性細菌性肺炎 インフルエンザ+細菌性肺炎の起炎菌の特…

PMX-HP 2015

今さらながら Early use of polymyxin B hemoperfusion in patients with septic shock due to peritonitis: a multicenter randomized control trial.Intensive Care Med. 2015 Jun;41(6):975-84 PMID 25862039 を斜め読み 腸管穿孔(下部が75%)もしくは術…

脳出血?

若年のCTで高吸収な腫瘤があって、出血か? いや石灰化のような高吸収域含む腫瘍性病変? 脳実質外由来の髄膜腫?なんて悩んだ時にCT値計測することがありますが、どこまでいけば出血ではあり得ないか?という問題です。最近の症例はCT値75HU程度で高すぎで…

卵巣出血の90%ルール

リファレンスは不明で真偽は定かではないですが・・ 卵巣出血の90%ルール ①90%が右側の卵巣出血 ②90%が月経周期の15-28日目の黄体期に発生 ③90%が24-48時間以内に性交歴がある だそうです。これが正しければ、非典型的?の症例に遭遇しました。

急性喉頭蓋炎のレントゲン

有名なthumb sign(喉頭蓋が親指のように腫大)は感度40%程度 vallecula signが有用とAnn Emerg 1997にのっている 開口位でない写真で、舌根部の喉頭蓋谷が舌骨近くまで深入り込む(vallecula)のが正常、これが消失していれば喉頭蓋炎を疑う 感度 98% 特異度99%…

D-dimmerとFDP

D-dimmerとFDPの検査の使い方もしくはコンビネーションは理解してもすぐに忘れます。一度まとめを この分野は海外の教科書やメジャーな論文はあんまなくて、耳学問が主。 という訳で真偽はご自身で確認を。 僕の理解としては 通常はフィブリノーゲンがフィブ…

ハッチンソン徴候

帯状疱疹患者を相談したら、ハッチンソン徴候って皮膚科の先生が口にしてましたが、恥ずかしながら知りませんでした。 少しお勉強 ハッチンソン徴候 顔面の帯状疱疹で鼻尖部にまで及んでいることをハッチンソン徴候と呼ぶ。鼻尖部にまで及んでいるということ…

ICUでのカンジダ尿症

ICU患者でのカンジダ尿症は膀胱カテーテル留置中に良く遭遇します。 治療しなくていいという耳学問はよく聞くけど、治療が必要かどんな時で、どのような治療をしなければいけないかがファジーなままでした。 という訳で少しお勉強 尿中カンジダが感染症か保…

MRSA感染とリファンピシン

リファンピシンとブドウ球菌のreview(Arch Intern Med. 2008;168(8):805-819)を斜め読みしました。 リファンピシンって不思議な薬です。抗結核薬として覚えていたら、なんと、ブドウ球菌の治療にも使います。そしてMRSAにも。 最近、人工関節のMRSA感染にリ…