#その他の病気

肺アスペルギルス症

肺アスペルギルス症の分類は若干ややこい 頭の中整理用 1 侵襲性肺アスペルギルス症 血管侵襲性アスペルギルス症と気管支肺炎型アスペルギルス症に分かれる 血管侵襲性は結節状の凝固壊死ができて周囲に出血を伴うhalo sign 気管支肺炎型はいわゆる細菌性の…

corona mortis

骨盤骨折の時に注意しないといけない血管として有名なcorona mortis crown of deathという別名もあるらしい。 名前はインパクト強いが、何のことはなし 外腸骨動脈と閉鎖動脈、下腹壁動脈のanastomosisのこと 70%以上に認められる。 内腸骨動脈手術で結紮後…

肝細胞癌とコロナ濃染

肝細胞癌のドレナージ血管は 異型結節:内部の肝静脈が保たれ、肝静脈がドレナージ血管 腫瘍が進行すると 肝静脈が減少し、類洞に直接灌流(逆流?) さらに被膜形成されると 被膜内の微細な門脈の枝から門脈に逆流する この門脈や類洞への還流が造影門脈相…

インフルエンザ後の肺炎

インフルエンザの季節です。 インフルエンザが迅速で陽性、しかし肺野には浸潤影が・・ インフエンザと肺炎といえば ①ウイルス性肺炎(両側びまん性網状影、気管支壁肥厚) ②ウイルス細菌混合肺炎 ③二次性細菌性肺炎 インフルエンザ+細菌性肺炎の起炎菌の特…

結核と活動性

肺炎で救急外来から入院してもらうとき、入院させる医師が最も気にするものは結核(活動性)の可能性はないか?可能性があるなら個室管理に、と考えます。 しかし、結核はなかなか難しい。 S1,2,6の石灰化を伴う腫瘤で、周囲に娘結節もあって、結核腫は間違…

膝蓋骨脱臼の画像診断

膝蓋骨脱臼は救急外来でたまにみます。 外向きに足を出して、大腿を内旋(大腿四頭筋が急速に緊張)した時に起こりやすくて、ほとんどが外側に脱臼します。ほとんどは救急外来来るまでに勝ってに整復されています。1例だけ脱臼したまま救急搬送された例も経…

PMX-HP 2015

今さらながら Early use of polymyxin B hemoperfusion in patients with septic shock due to peritonitis: a multicenter randomized control trial.Intensive Care Med. 2015 Jun;41(6):975-84 PMID 25862039 を斜め読み 腸管穿孔(下部が75%)もしくは術…

神経原生腫瘍の分類

NF患者や後腹膜原発腫瘍でよく遭遇するNeurogenic tumor 頭の中が混乱しているので簡単に整理 神経原生腫瘍は 神経線維から発生する腫瘍と神経節から発生する腫瘍に分けられる。 神経線維から発生する腫瘍 神経性線維腫、神経鞘腫 神経節から発生する腫瘍 神…

静脈洞血栓症

若年の両側前頭葉の拡散強調画像で高信号域、皮質も白質もあり。結構広範囲に白質のT2延長域。両側ACA支配域としてもよさそうだが、MCA域もありそう。 両側で通常の脳梗塞ではあり得なそう。 うーーん。PRESや脳症などもありかな?と思うけど、部位は典型的…

脳出血?

若年のCTで高吸収な腫瘤があって、出血か? いや石灰化のような高吸収域含む腫瘍性病変? 脳実質外由来の髄膜腫?なんて悩んだ時にCT値計測することがありますが、どこまでいけば出血ではあり得ないか?という問題です。最近の症例はCT値75HU程度で高すぎで…

細胆管細胞癌?

肝癌疑いで、若干の肝変形あるけど、PIVKA,AFPは上昇していない肝腫瘤。 辺縁は動脈相で濃染して、wash outするけど、内部はゆっくり染まる(もしくは染まり弱い)ように見える腫瘤。自信ないけどHCCからかな?と思っていましたが、EOB-MRIでは、造影パター…

肝膿瘍のガス像

肝膿瘍内にガスを認めることがありますが、めちゃくちゃあるわけではない。 20%以下だそうです。

女性の鼠径ヘルニア

女性の鼠径ヘルニアはあんまり見ません。 男女比は8:1くらいらしいです。 それほ鼠径管が圧倒的に男性の方が太いからのようです。 鼠径管の中身 男性:精索(精管を中心に精巣動脈、静脈そうなど) 女性:子宮円索。女性は卵巣が腹腔内にとどまるために、子…

漿膜下筋腫の鑑別

漿膜下筋腫かもと思った時に考えること 本当に子宮と連続しているか・・ 卵巣由来ならT2WIて低信号となるfibroma(繊維腫) fibrotechoma(莢膜細胞腫) Brennnerなどが鑑別。その他、GIST 神経原性腫瘍など。 最も卵巣腫瘍との鑑別が問題となる頻度が高い ち…

膀胱癌の深達度

今さらながら膀胱癌の進達度を 膀胱壁は粘膜、粘膜下層、浅筋層、深筋層、周囲脂肪の5層からなる 粘膜下層までは表在腫瘍、浅筋層以上が浸潤性腫瘍とされる。 これは結構大事で表在腫瘍ならTUR-BTが可能 1cm以下の乳頭状腫瘍や非乳頭状の有茎性腫瘍はほぼ表…

卵巣出血の90%ルール

リファレンスは不明で真偽は定かではないですが・・ 卵巣出血の90%ルール ①90%が右側の卵巣出血 ②90%が月経周期の15-28日目の黄体期に発生 ③90%が24-48時間以内に性交歴がある だそうです。これが正しければ、非典型的?の症例に遭遇しました。

急性喉頭蓋炎のレントゲン

有名なthumb sign(喉頭蓋が親指のように腫大)は感度40%程度 vallecula signが有用とAnn Emerg 1997にのっている 開口位でない写真で、舌根部の喉頭蓋谷が舌骨近くまで深入り込む(vallecula)のが正常、これが消失していれば喉頭蓋炎を疑う 感度 98% 特異度99%…

バルトリン腺嚢胞

膣周囲の嚢胞でバルトリン腺嚢胞。このあたりは嚢胞いっぱいで、ほんまにバルトリン腺の貯留嚢胞なのかは不明な時もある気がする。 恥骨結合より尾側になければいけない。 T1WIで高信号は全然あり得て、たんぱく質濃度の高い嚢胞を反映する。 T2WIは高信号、…

膝関節症の軟骨下脆弱性骨折

ストレス骨折=疲労骨折+脆弱性骨折 脆弱骨折=通常骨折を来さない程度の力での骨折 膝関節症の時の軟骨下骨の信号変化を何と書けば良いか・・ 軟骨下脆弱性骨折は病理学的には軟骨下の骨折線とそれに沿った仮骨と肉芽形成らしいので、関節面に沿った線状の低…

海綿静脈洞浸潤

小ネタ トルコ鞍の腫瘤で海綿静脈洞への進展かどうかの評価は内頚動脈を2/3周以上を取り囲んでいるかどうか。以上!

T2 dark spot sign

今日はあんまり読影しなかったのでネタなし たまにある婦人科MRIで付属器の嚢胞でT1WIで高信号の嚢胞。癒着があって子宮背側にあれば、内膜症性嚢胞って考えるけど、あんま癒着がなさそうな時に、出血性嚢胞かもと悩むことがあります。shadingもどっちもあり…

肝偽脂肪腫

肝表になんか脂肪があって、肝臓内由来ではなさそうやし、腹膜垂なんかが遊離した脂肪かな?と「肝表に脂肪あります」と書いていたら、「偽脂肪腫あります」と訂正されていました。 偽脂肪腫?? なんじゃ?? と思ったけど、何のことはない、肝表の腹膜垂な…

頭蓋咽頭管

頭蓋咽頭腫はadamantinomatous typeとsquamous-papillary typeがある adamantinomatous typeは若年に多く頭蓋咽頭管の遺残から発生する。 頭蓋咽頭管??どこ?? 原始口腔から降りてきたラトケ嚢と原始口腔の間が退縮せずに遺残したもの。 甲状舌管嚢胞みた…

NMOとMSの脊髄病変

脊髄病変でいつもNMOとMSが混乱します。 MSとNMOは治療方針が違うから鑑別する必要があるとよく書いてある。 脊髄病変だけから見るとMSの脊髄病変は短いのに対してNMOの脊髄病変は長くしばしば3椎体以上。横断像でみるとMSの病変は辺縁部(白質)に好発する…

トルコ鞍の嚢胞病変

トルコ鞍の嚢胞性病変の鑑別は 頭蓋咽頭腫 ラトケ嚢胞 嚢胞性下垂体腺腫 くも膜嚢胞 の4つ まず正常下垂体を探す 正常下垂体があれば嚢胞性下垂体腺腫は消せる 下垂体が分からなければ鑑別困難なこともある 石灰化や嚢胞、壁の肥厚や充実部分があれば頭蓋咽…

大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアか

鼠径部の腸管脱出は大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアの鑑別を要する。 その他にも近くに膀胱上窩もあるが、膀胱への圧排など鑑別は容易。 大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアかの鑑別は鼠径靭帯の腹側であれば、鼠径ヘルニア(内or外は下腹壁動脈の外か内かで鑑別できる…

自然血気胸

自然気胸の人に血性胸水を伴うことがある 自然血気胸は気胸の約3%程度といわれている。 機序は ①気胸発生時に壁側胸膜との癒着がはがれて出血する。特に癒着した時は胸壁側から血管が入ってくるといわれている ②ブラ破たん時のブラ周囲からの出血 ③ブラと胸…

網嚢内への小腸の脱出

網嚢内への小腸の脱出した内ヘルニアの鑑別をクイズで当てられて外してしまいました。 内ヘルニアは大きく、 腹膜に穴が開いていない腔へ小腸が脱出する腹膜窩ヘルニア(右傍十二指腸、左傍十二指腸、盲腸窩、S状結腸間膜窩、傍直腸窩、膀胱上窩) 異常な腹…

D-dimmerとFDP

D-dimmerとFDPの検査の使い方もしくはコンビネーションは理解してもすぐに忘れます。一度まとめを この分野は海外の教科書やメジャーな論文はあんまなくて、耳学問が主。 という訳で真偽はご自身で確認を。 僕の理解としては 通常はフィブリノーゲンがフィブ…

膵臓の発生と膵管

いつも少しかじって忘れる膵管の発生異常 膵臓は腹側膵と背側膵があって、背側膵が膵頭部の一部~体部~尾部になる膵臓本体となる。 腹側膵は背側膵の尾側にあって、元々は十二指腸の右側にあって回転してきて背側肺の尾側にくっつくイメージ、腹側膵が膵鉤…