画像診断

神経原生腫瘍の分類

NF患者や後腹膜原発腫瘍でよく遭遇するNeurogenic tumor 頭の中が混乱しているので簡単に整理 神経原生腫瘍は 神経線維から発生する腫瘍と神経節から発生する腫瘍に分けられる。 神経線維から発生する腫瘍 神経性線維腫、神経鞘腫 神経節から発生する腫瘍 神…

静脈洞血栓症

若年の両側前頭葉の拡散強調画像で高信号域、皮質も白質もあり。結構広範囲に白質のT2延長域。両側ACA支配域としてもよさそうだが、MCA域もありそう。 両側で通常の脳梗塞ではあり得なそう。 うーーん。PRESや脳症などもありかな?と思うけど、部位は典型的…

細胆管細胞癌?

肝癌疑いで、若干の肝変形あるけど、PIVKA,AFPは上昇していない肝腫瘤。 辺縁は動脈相で濃染して、wash outするけど、内部はゆっくり染まる(もしくは染まり弱い)ように見える腫瘤。自信ないけどHCCからかな?と思っていましたが、EOB-MRIでは、造影パター…

肝膿瘍のガス像

肝膿瘍内にガスを認めることがありますが、めちゃくちゃあるわけではない。 20%以下だそうです。

女性の鼠径ヘルニア

女性の鼠径ヘルニアはあんまり見ません。 男女比は8:1くらいらしいです。 それほ鼠径管が圧倒的に男性の方が太いからのようです。 鼠径管の中身 男性:精索(精管を中心に精巣動脈、静脈そうなど) 女性:子宮円索。女性は卵巣が腹腔内にとどまるために、子…

漿膜下筋腫の鑑別

漿膜下筋腫かもと思った時に考えること 本当に子宮と連続しているか・・ 卵巣由来ならT2WIて低信号となるfibroma(繊維腫) fibrotechoma(莢膜細胞腫) Brennnerなどが鑑別。その他、GIST 神経原性腫瘍など。 最も卵巣腫瘍との鑑別が問題となる頻度が高い ち…

膀胱癌の深達度

今さらながら膀胱癌の進達度を 膀胱壁は粘膜、粘膜下層、浅筋層、深筋層、周囲脂肪の5層からなる 粘膜下層までは表在腫瘍、浅筋層以上が浸潤性腫瘍とされる。 これは結構大事で表在腫瘍ならTUR-BTが可能 1cm以下の乳頭状腫瘍や非乳頭状の有茎性腫瘍はほぼ表…

バルトリン腺嚢胞

膣周囲の嚢胞でバルトリン腺嚢胞。このあたりは嚢胞いっぱいで、ほんまにバルトリン腺の貯留嚢胞なのかは不明な時もある気がする。 恥骨結合より尾側になければいけない。 T1WIで高信号は全然あり得て、たんぱく質濃度の高い嚢胞を反映する。 T2WIは高信号、…

膝関節症の軟骨下脆弱性骨折

ストレス骨折=疲労骨折+脆弱性骨折 脆弱骨折=通常骨折を来さない程度の力での骨折 膝関節症の時の軟骨下骨の信号変化を何と書けば良いか・・ 軟骨下脆弱性骨折は病理学的には軟骨下の骨折線とそれに沿った仮骨と肉芽形成らしいので、関節面に沿った線状の低…

海綿静脈洞浸潤

小ネタ トルコ鞍の腫瘤で海綿静脈洞への進展かどうかの評価は内頚動脈を2/3周以上を取り囲んでいるかどうか。以上!

T2 dark spot sign

今日はあんまり読影しなかったのでネタなし たまにある婦人科MRIで付属器の嚢胞でT1WIで高信号の嚢胞。癒着があって子宮背側にあれば、内膜症性嚢胞って考えるけど、あんま癒着がなさそうな時に、出血性嚢胞かもと悩むことがあります。shadingもどっちもあり…

肝偽脂肪腫

肝表になんか脂肪があって、肝臓内由来ではなさそうやし、腹膜垂なんかが遊離した脂肪かな?と「肝表に脂肪あります」と書いていたら、「偽脂肪腫あります」と訂正されていました。 偽脂肪腫?? なんじゃ?? と思ったけど、何のことはない、肝表の腹膜垂な…

頭蓋咽頭管

頭蓋咽頭腫はadamantinomatous typeとsquamous-papillary typeがある adamantinomatous typeは若年に多く頭蓋咽頭管の遺残から発生する。 頭蓋咽頭管??どこ?? 原始口腔から降りてきたラトケ嚢と原始口腔の間が退縮せずに遺残したもの。 甲状舌管嚢胞みた…

NMOとMSの脊髄病変

脊髄病変でいつもNMOとMSが混乱します。 MSとNMOは治療方針が違うから鑑別する必要があるとよく書いてある。 脊髄病変だけから見るとMSの脊髄病変は短いのに対してNMOの脊髄病変は長くしばしば3椎体以上。横断像でみるとMSの病変は辺縁部(白質)に好発する…

トルコ鞍の嚢胞病変

トルコ鞍の嚢胞性病変の鑑別は 頭蓋咽頭腫 ラトケ嚢胞 嚢胞性下垂体腺腫 くも膜嚢胞 の4つ まず正常下垂体を探す 正常下垂体があれば嚢胞性下垂体腺腫は消せる 下垂体が分からなければ鑑別困難なこともある 石灰化や嚢胞、壁の肥厚や充実部分があれば頭蓋咽…

大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアか

鼠径部の腸管脱出は大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアの鑑別を要する。 その他にも近くに膀胱上窩もあるが、膀胱への圧排など鑑別は容易。 大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアかの鑑別は鼠径靭帯の腹側であれば、鼠径ヘルニア(内or外は下腹壁動脈の外か内かで鑑別できる…

自然血気胸

自然気胸の人に血性胸水を伴うことがある 自然血気胸は気胸の約3%程度といわれている。 機序は ①気胸発生時に壁側胸膜との癒着がはがれて出血する。特に癒着した時は胸壁側から血管が入ってくるといわれている ②ブラ破たん時のブラ周囲からの出血 ③ブラと胸…

網嚢内への小腸の脱出

網嚢内への小腸の脱出した内ヘルニアの鑑別をクイズで当てられて外してしまいました。 内ヘルニアは大きく、 腹膜に穴が開いていない腔へ小腸が脱出する腹膜窩ヘルニア(右傍十二指腸、左傍十二指腸、盲腸窩、S状結腸間膜窩、傍直腸窩、膀胱上窩) 異常な腹…

膵臓の発生と膵管

いつも少しかじって忘れる膵管の発生異常 膵臓は腹側膵と背側膵があって、背側膵が膵頭部の一部~体部~尾部になる膵臓本体となる。 腹側膵は背側膵の尾側にあって、元々は十二指腸の右側にあって回転してきて背側肺の尾側にくっつくイメージ、腹側膵が膵鉤…

門脈血栓の原因

日常で疑問に思うことは多いけど、「なるほど!」と思えてブログのネタに遭遇できることはあんまりなし。 今日も胆のう炎+肝内門脈血栓みて、少し勉強したが、興味深い点は少なかった・・ 一応、メモがわりに 静脈血栓は常に 血管壁因子:内皮の障害 血液性…

腸管壁のCTでの鑑別

RadioGraphics 2002; 22:1093–1109を流し読み 英語は苦手です。 腸管壁は ①white pattern 静脈と同等もしくは静脈以上に造影される。血管拡張もしくは造影剤のしみだしによる血管外漏出でおこる。炎症性腸疾患や血管炎が代表的。造影剤のしみだしの機序とし…

腎血管筋脂肪腫と腎癌

脂肪に乏しい腎臓のAMLと腎癌(淡明細胞癌)の鑑別は画像診断で迷うひとつ 遭遇する度に鑑別覚えていなくて、いつも調べます。 また、忘れそうだが備忘録として・・ まあ、結論的には鑑別難しいことも多いようですが・・ 脂肪があればAML寄りに考えることは基…

肝血管腫は大きくなっていい?

単純CTで肝臓の低吸収結節で嚢胞ではなさそうなら、鑑別診断は山のように上がりますが、疫学的には血管腫が多い。MRIでT2のvery highを見たら、まず血管腫で間違いないと考えると思う。 以前のMRIや造影CTでは血管腫やと思うけど、数年間で2倍以上に大…

T2 very highの脳実質外腫瘤

頭蓋内の腫瘤をみたら、鑑別の第一段階は脳実質外から出た腫瘤か、脳実質内から出た腫瘤かを考えることから始める 鑑別ポイントは dural tail sign:肥厚した硬膜の厚みが腫瘤から離れるにつれて徐々に薄くなる。髄膜腫に特徴的と言われている(60%にしか見…

遺残虫垂炎?憩室炎?

虫垂切除後の右下腹部痛で悩んだ。 憩室炎やと思うけど・・・遺残虫垂炎は否定できるのか? いまだ、解答は不明だが、完全な鑑別は困難ということにしておいた。 遺残虫垂炎は頻度は非常に稀、約50000件の虫垂切除に対して1回起きる。最近報告頻度は増えて…

モザイク血流とスリガラス影

胸部CTでhead cheese signの勉強をしようと思ったところ その前段階としてモザイク血流とスリガラス影の勉強を モザイク血流 肺野の局所血流不均一を反映して肺野濃度に差が出る所見。血流が乏しく肺野濃度が下がる(黒くなる)所見をいう。肺塞栓でも起こる…

細菌性椎体炎と結核性椎体炎の鑑別

これはよく教科書にのってある 化膿性脊椎炎 結核性脊椎炎 椎間腔 早期より狭小化 早期は保たれる 脊椎進展 2椎体以下 3椎体以上 傍脊椎腫瘤 境界不明瞭 境界明瞭 膿瘍壁 厚く不正 薄く平滑 石灰化 稀 しばしば skip lesion 稀 しばしば ちなみに結核では…

化膿性脊椎炎・椎間板炎の勘違い

化膿性脊椎炎のMRIと言えば、2椎体に骨髄浮腫があって、間の椎間板にT2高信号域があって(膿がたまって)、椎間板の前方や後方に炎症を反映した浮腫や軟部組織があるという画像が典型的でよくみる。教科書にもほとんど椎間板炎と椎体炎は合併すると書いてあ…