大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアか

鼠径部の腸管脱出は大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアの鑑別を要する。 その他にも近くに膀胱上窩もあるが、膀胱への圧排など鑑別は容易。 大腿ヘルニアか鼠径ヘルニアかの鑑別は鼠径靭帯の腹側であれば、鼠径ヘルニア(内or外は下腹壁動脈の外か内かで鑑別できる…

自然血気胸

自然気胸の人に血性胸水を伴うことがある 自然血気胸は気胸の約3%程度といわれている。 機序は ①気胸発生時に壁側胸膜との癒着がはがれて出血する。特に癒着した時は胸壁側から血管が入ってくるといわれている ②ブラ破たん時のブラ周囲からの出血 ③ブラと胸…

網嚢内への小腸の脱出

網嚢内への小腸の脱出した内ヘルニアの鑑別をクイズで当てられて外してしまいました。 内ヘルニアは大きく、 腹膜に穴が開いていない腔へ小腸が脱出する腹膜窩ヘルニア(右傍十二指腸、左傍十二指腸、盲腸窩、S状結腸間膜窩、傍直腸窩、膀胱上窩) 異常な腹…

眼窩吹き抜け骨折を見たときに注意する点

外傷での顔面CTでは当然冠状断をみて、眼窩底に吹き抜け骨折の有無をチェックする。 CTを見たときに注意する臨床と関連する点は ①下直筋と骨折部との関連。下直筋が挟み込まれると、眼球運動障害を来す。時に絞扼していると緊急手術が櫃湯 ②眼窩下孔に損傷が…

D-dimmerとFDP

D-dimmerとFDPの検査の使い方もしくはコンビネーションは理解してもすぐに忘れます。一度まとめを この分野は海外の教科書やメジャーな論文はあんまなくて、耳学問が主。 という訳で真偽はご自身で確認を。 僕の理解としては 通常はフィブリノーゲンがフィブ…

膵臓の発生と膵管

いつも少しかじって忘れる膵管の発生異常 膵臓は腹側膵と背側膵があって、背側膵が膵頭部の一部~体部~尾部になる膵臓本体となる。 腹側膵は背側膵の尾側にあって、元々は十二指腸の右側にあって回転してきて背側肺の尾側にくっつくイメージ、腹側膵が膵鉤…

門脈血栓の原因

日常で疑問に思うことは多いけど、「なるほど!」と思えてブログのネタに遭遇できることはあんまりなし。 今日も胆のう炎+肝内門脈血栓みて、少し勉強したが、興味深い点は少なかった・・ 一応、メモがわりに 静脈血栓は常に 血管壁因子:内皮の障害 血液性…

腸管壁のCTでの鑑別

RadioGraphics 2002; 22:1093–1109を流し読み 英語は苦手です。 腸管壁は ①white pattern 静脈と同等もしくは静脈以上に造影される。血管拡張もしくは造影剤のしみだしによる血管外漏出でおこる。炎症性腸疾患や血管炎が代表的。造影剤のしみだしの機序とし…

腎血管筋脂肪腫と腎癌

脂肪に乏しい腎臓のAMLと腎癌(淡明細胞癌)の鑑別は画像診断で迷うひとつ 遭遇する度に鑑別覚えていなくて、いつも調べます。 また、忘れそうだが備忘録として・・ まあ、結論的には鑑別難しいことも多いようですが・・ 脂肪があればAML寄りに考えることは基…

肝血管腫は大きくなっていい?

単純CTで肝臓の低吸収結節で嚢胞ではなさそうなら、鑑別診断は山のように上がりますが、疫学的には血管腫が多い。MRIでT2のvery highを見たら、まず血管腫で間違いないと考えると思う。 以前のMRIや造影CTでは血管腫やと思うけど、数年間で2倍以上に大…

RFA後の合併症

IVRについて全然書いていなかったので、ひとつRFA後の合併症を だいたいの数字ではRFAに関連した死亡は0.5%程度、合併症は9-10%程度の報告が多い。 RFA後の合併症には早期合併症と晩期合併症に分けて考察されている。とある報告(Ann surg 2004;239:450-458)…

T2 very highの脳実質外腫瘤

頭蓋内の腫瘤をみたら、鑑別の第一段階は脳実質外から出た腫瘤か、脳実質内から出た腫瘤かを考えることから始める 鑑別ポイントは dural tail sign:肥厚した硬膜の厚みが腫瘤から離れるにつれて徐々に薄くなる。髄膜腫に特徴的と言われている(60%にしか見…

顔面の帯状疱疹を見たら

顔面の帯状疱疹を見たときにポイントは眼科、神経内科へのコンサルトが必要かどうかを考えることらしいです。眼病変の可能性は前記事ハンチンソン徴候が参考になります。 では帯状疱疹後脳炎の可能性の評価は?髄液検査は必要? 神経病変も帯状疱疹と同じく…

ハッチンソン徴候

帯状疱疹患者を相談したら、ハッチンソン徴候って皮膚科の先生が口にしてましたが、恥ずかしながら知りませんでした。 少しお勉強 ハッチンソン徴候 顔面の帯状疱疹で鼻尖部にまで及んでいることをハッチンソン徴候と呼ぶ。鼻尖部にまで及んでいるということ…

遺残虫垂炎?憩室炎?

虫垂切除後の右下腹部痛で悩んだ。 憩室炎やと思うけど・・・遺残虫垂炎は否定できるのか? いまだ、解答は不明だが、完全な鑑別は困難ということにしておいた。 遺残虫垂炎は頻度は非常に稀、約50000件の虫垂切除に対して1回起きる。最近報告頻度は増えて…

モザイク血流とスリガラス影

胸部CTでhead cheese signの勉強をしようと思ったところ その前段階としてモザイク血流とスリガラス影の勉強を モザイク血流 肺野の局所血流不均一を反映して肺野濃度に差が出る所見。血流が乏しく肺野濃度が下がる(黒くなる)所見をいう。肺塞栓でも起こる…

ICUでのカンジダ尿症

ICU患者でのカンジダ尿症は膀胱カテーテル留置中に良く遭遇します。 治療しなくていいという耳学問はよく聞くけど、治療が必要かどんな時で、どのような治療をしなければいけないかがファジーなままでした。 という訳で少しお勉強 尿中カンジダが感染症か保…

細菌性椎体炎と結核性椎体炎の鑑別

これはよく教科書にのってある 化膿性脊椎炎 結核性脊椎炎 椎間腔 早期より狭小化 早期は保たれる 脊椎進展 2椎体以下 3椎体以上 傍脊椎腫瘤 境界不明瞭 境界明瞭 膿瘍壁 厚く不正 薄く平滑 石灰化 稀 しばしば skip lesion 稀 しばしば ちなみに結核では…

化膿性脊椎炎・椎間板炎の勘違い

化膿性脊椎炎のMRIと言えば、2椎体に骨髄浮腫があって、間の椎間板にT2高信号域があって(膿がたまって)、椎間板の前方や後方に炎症を反映した浮腫や軟部組織があるという画像が典型的でよくみる。教科書にもほとんど椎間板炎と椎体炎は合併すると書いてあ…

筋強直性ジストロフィーと画像診断

画像診断の研究会では、画像を提示され、それに対して診断を答える形式での勉強会が多い。難しい症例を皆で共有して、次に同様の所見を見たときに皆が診断できるようになり、診療に貢献する目的を持つ。 このような症例提示で何度か見た疾患が筋強直ジストロ…

MRSA感染とリファンピシン

リファンピシンとブドウ球菌のreview(Arch Intern Med. 2008;168(8):805-819)を斜め読みしました。 リファンピシンって不思議な薬です。抗結核薬として覚えていたら、なんと、ブドウ球菌の治療にも使います。そしてMRSAにも。 最近、人工関節のMRSA感染にリ…

内膜症に合併する腫瘍(腫瘤)

婦人科の画像診断は苦手です。最初に画像診断を勉強した病院で婦人科画像が少なかったから見慣れてません。それでも勉強しないと・・・・ とりあえず超基本ですが、内膜症に合併する腫瘤 超有名なのは、類内膜腺癌(endmetrioid tumor)、明細胞腺癌(clear cel…

葉間に入った胸腔ドレーン

内筒使わずに、胸腔ドレーンを留置することは、世界中でのスタンダードになったと思います。しかし、内筒使わないと、ドレーン先端の方向なんてコントロールできないじゃん!!って思っちゃいます。そして、実際、しょっちゅう葉間に入ってます。 レントゲン…

CLIPPERS

中脳の造影される多発小結節の鑑別にCLIPPERSをちらっと考えました。 CLIPPERSは名前が記憶に残るから、覚えやすいが、中身は???って感じ CLIPPERSはchronic linphocystic Inflamation with pontine perivascular enhancement responsive to steroidsの略…

はじめてみました。

備忘録や勉強日記として救急+集中治療+画像診断・IVRについてちょくちょくアップしていく予定です。誰にも見られなくても、さみしくてもできる限り、続けていく所存です!よろしくお願いいたします。